コラム No.011:銀行口座の凍結について
- 2016年08月
お客様から頂くよくある質問のひとつに
「死亡届を提出すると故人名義の銀行口座が凍結されるんでしょ?」
というものがあります。
そして多くの場合、
「銀行口座が凍結される前に預金をおろしたいから、死亡届を提出するのを待ってほしい」
と続きます。
本当に死亡届を提出すると、銀行口座が凍結されるのでしょうか?
結論から申し上げると、死亡届を提出することで故人名義の銀行口座が凍結されることはありませんし、役所から故人が利用していた金融機関に凍結するための連絡が入るような仕組みも日本には存在しません。
金融機関は「名義人が死亡した事実を知った時点」で口座取引を凍結しますが、死亡した方が著名人で新聞に訃報が掲載された場合や、金融機関にうっかり遺族が連絡してしまった場合(私の経験では窓口でうっかり言ってしまったというケースが意外と多い)などを除き、一般的に凍結されるケースは少ないと思います。
但し、名義人の死亡時点で預貯金は「遺産」=相続人全員の財産となりますので、凍結されていないからといってむやみに引き出すと相続の際のトラブルにつながることもありますのでご注意ください。
凍結された預貯金から現金を引き出す、名義変更をする場合には
➀故人の除籍謄本、②相続人全員の印鑑証明、③遺産分割協議書
を添えて金融機関で手続きを行います。
具体的には各金融機関に直接問い合わせて手続きを行います。
預貯金がどこの金融機関にあるかわからないとき
残念ながらどこか一カ所に問い合わせて全ての銀行を探すシステムは今のところないようです。郵便物を調べて金融機関からのお知らせがないか探す、自宅や職場近くの金融機関にひとつひとつ問い合わせてみる、ということしか方法はないようです。
